全然完結しないこのシリーズですが、全くもって予想していなかった展開であります。スー(@bacteria_suzu)です。
本日もお越しいただきありがとうございます。
もしかしてこれもアナスタシアの意図なのでは…。
とかね、思いながらね。
今回は、アナスタシアの不思議な生き方をまとめてみましょう。そこここに、私たちの生活に通じるヒントがあるのでとても興味深いですよ。
アナスタシアを知らなかった人が、この記事などを見て興味を持ってくれたら嬉しいです。
そして、このなかなか伝わりづらい拙いレビューによって、多くの方がアナスタシアの本そのものに直接触れてくれるといいなと思います。
二人が辿り着いたアナスタシアの家はただの草地と洞窟・・・
裸足で、ほとんど下着のような格好で、道無き道をゆくアナスタシアとメグレ氏。
歩きながら、よく見もしないで、ハーブを摘み、そして食べる。
野イチゴやベリーを見つけると、取ってメグレ氏に差し出す。
おそらく、森の中でこのようなものしか食べていない彼女の身体ですが、特に痩せ過ぎてもいないし、標準的な体型に見えたといいます。
しかし、見るからに健康的で、弾力のある、美しい身体つきをしていました。
また、メグレ氏がつまずき転びそうな瞬間に、アナスタシアが振り向いて手を素早く差し出すのですが、片手で氏の体を支えてくれたおかげで、地面に全く触れることなく立ち上がれたというのですから、その反射神経はずば抜けていると思われます。
そうこうしているうちに、
「着いた!ここが私の家!」
せまいこぎれいな草地
あたりを見回したメグレ氏が見たのは、壮麗な杉の木立の中に突然現れた、せまいこぎれいな草地でした。
ところどころに花は咲いているものの、建物らしきものや小屋ひとつありません。
ウ「ところで、どこに家があるんだい?どこで寝たり食べたり、雨をしのいだりするんだい?」
ア「ウラジーミル、ここが私の家。ここにはなんでもあるの」
ウ「せめて湯を沸かすやかんとか、斧とか」
ア「やかんも斧もない、火はおこさない方がいいの」
ウ「・・・(いろいろごちゃごちゃとのたまう)・・・。私はとても疲れているし.のども渇いている。いったいきみはどこで水を手に入れるんだ?どうやって飲むんだい?」
ア「はい、お水。どうぞ」
と言ってメグレ氏の顔の前に差し出されたのは、アナスタシアの両手にすくわれた近くの湖の水でした。
ウ「どういうつもりだい?きみは全くの野生人なのか?水たまりの生水など飲めるわけないだろう」
動揺してますねー。
そらそうですけどね。
ここからはさらにひどいですから、アナスタシア。
現代の俗・欲にまみれた生活をしている私たちほど酷くはないと思いますが、現代社会を生きてきたメグレ氏もこれには参りますよね。
アナスタシア曰く、
これは水たまりじゃない。これはきれいな、生きている水で、良い水。あなたたちが飲んでいるような半分死んだ水じゃない。お母さんの母乳のように安心して飲める水
キャンプに行ったりする私でも、さすがに湖や川の水を飲む発想はないです。
アナスタシアと私たちの間にはかなりの開きがありますね…。
人は呼吸をするように食べていればいい
では、ここでアナスタシアが語る、人間の「食べる」という事についての引用をいくつかあげてみますね。
「世界ははじめから、人間が何を食べようか、どこでそれを得ようかなどということに、思考のエネルギーを費やす必要がないように創られているの」
「すべてのものが人間の必要に応じて熟すようになっているから、人は呼吸をするように食べて、栄養など気にせず、もっと大切なことに意識を集中していればいい」
「創造主は、人間以外のものに食べ物の準備を任せた。人間が人間としての役割を果たせるように」
で、彼女はいったい何でエネルギーを得ているのかというと、
- 食事に関するルールは一切ない
- 時間も場所もスタイルも自由
歩きながらベリーや若葉を摘み取って食べる、もしくはリスが食事を用意してくれる。
・・・。
これはリアルか絵本の世界なのか、絵本がリアルを描いているのか…。
とにかく、メグレ氏の目の前で、可愛らしいリスたちが彼女のための食事を用意するのです。
アナスタシアが右手をパチンと鳴らす
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数分後、一匹のふわふわしたリスが、アナスタシアの隣にひょっこり現れた
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両前足で杉の球果を捧げ持っている
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アナスタシアが、会話を続けながらなんでもないそぶりでもう一度指を鳴らす
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そのリスはせわしなく休暇の殻をはがし始め、そこから杉の実を取り出しては草の上に置く
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アナスタシアが3度目に指を鳴らす
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リスはひとつの実を取ってその皮をむき、それをくわえたまま彼女の手のひらに跳び乗った
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アナスタシアはリスの顔を自分の口に近づける
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リスは杉の実の種を自分の口から彼女の口へと運び、地上におりて再び次の実を取ってその皮をむき始めた
これで終わりではありません。
なんとこのようなリスがたくさん集まっているんです、アナスタシアの隣に!
その数はみるみる増えて、アナスタシアが示した場所に杉の実を置き始めました。
それぞれが球果の殻をむいていて、ひとつを終えると次の球果に移って作業しているのです。
数分後には、杉の実がメグレ氏の前にこんもりと積み上げられました。
ファンタジーのように見えたメグレ氏のお気持ち、お察しします。
尋常ならざる状況ですよね。
この一連の作業をリスたちはすこぶる楽しげに、満足げにやってのけるように見えたと言いますが、アナスタシアがリスたちを訓練したわけではないのです。
この行動は本能にもとづくもののようで、母リスが子供達に手本を示して教えるそうです。
「ずっと昔の私の祖先が彼らを訓練した可能性もあるけれど、たぶん、彼らにはこういったことをする習性が先天的に組み込まれているのだと思う。実際、リスは冬に備えて自分が食べる量の何倍もの食糧を蓄えるから」
文明豊かな社会に生きる私たちは、つねに食べ物の心配をし、食べ物を得るために朝から晩まで働き、そうしてやっと得られた食べ物も、かなり怪しい質のものが多いですね。
この世界の不自然さはもはや誰も気づきもしないくらい浸透していて、当たり前になっています。
「彼らが選んだ生き方が、彼らを仕事に行かせる」
そう言うアナスタシアと、私たちの間の深ーい溝がまた見えましたね。
『熊』という布団で寝る
熊の毛皮ではありませんよ、熊さんですよ、森の熊さん。
アナスタシアは野生動物のねぐらのような、ほら穴のようにくぼんだ場所にメグレ氏を案内し、そこにあったベッドのようなものに横になるように見届けます。
過酷な旅に疲労困憊していた氏は、またたく間にぐっすりと深い眠りに落ちました。
翌朝の目覚めは、まるでとびきり上等なベッドで一晩休んだ後のように、清清しく快適だった。
ふわふわの毛皮に手が触れた時には、アナスタシアが狩りもするのだと思い込み、その暖かい毛皮に体を寄せてもう少し心地よいうたた寝を楽しもうと思ったくらい、最高の寝床だったのは間違いないようです。
しかし、それが本物の熊だと知った時には・・・恐怖におののく氏の姿が想像できますね。
アナスタシア本人は入り口の外側に寝ていたようで、そこから彼女が手を叩いた瞬間、熊はゆっくりとほら穴から這い出ていったのです。
アナスタシアは絶対に危害を加えるような熊でないことを確信していたのでしょうけれど、できれば目覚める前に手を叩いて欲しかったですよね…。
服を着る必要がない
アナスタシア一族たちの動物との関わり方は私たちとは全く違うものでした。
そしてさらに、彼女たちの体組織もまた私たちと全く違った特性を持っているようです。
メグレ氏は素朴な疑問をアナスタシアに投げかけます。
「私が上着を着ているというのに、君はそのかっこうでどうして寒くないの?」
ほとんどいつも、彼女は全く衣服を身に着けていないか、ほんの少し身に着けているかといった感じで動きまわっているのだとか。
これは男性にとってはなんともいえないキツイ状況かもしれないですね…。
全てはそこに整えられている
アナスタシアは幼児の頃、母乳以外にいろんな動物の乳も飲んだと言います。その動物もごく自然に彼女に吸わせたと。
また、彼女がまだ1歳にも満たない頃、母親が彼女を一日中、ひとり草地に残したこともあったというけれど、餓死もせずおそらくそこら中の動物や植物が彼女を守っていたのでしょうね。
では、私たちのような人間がたった一人でタイガの森の草地に放置されたら・・・、
おそらく平常ではない私の意識が伝わり、守ってくれる生物は現れないかもしれませんね。
アナスタシアが言うように、
地球上のすべてのものはーーー草の葉一枚、昆虫一匹にしてもーーー人間のために創られていて、人間に仕える中でのそれぞれの役割と目的をもっている。
たくさんの薬草はその見事な確証よ。でもあなたがたは、自分の健康と幸福のために与えられているこれだけの素晴らしいものについて、ほとんど何も知らない。だから十分に活用できない。
ということなのでしょうか。
たとえ、私たちよりは自然に精通していそうな、文明社会から離れて暮らす種族の人間だったとしても、アナスタシアと同レベルの自然との関係は見られないようなのです。
なぜなら、
「彼らの意図や動機が十分、純粋ではないので、自然界と動物界がそれを察知してしまう」
らしいです。
「自然を大切に!」
「自然ともっとふれ合おう」
「自然の中で癒されよう」
こんな言葉が簡単に出てくるということは、逆に自然というものにある程度距離をおき、遠くから拝むもののように扱っているからかもしれません。
全く自分の内に落とし込めていませんよね。
まとめ
このアナスタシアシリーズでは、アナスタシアを知らない人に興味を持ってもらいたくて、かなりわかりやすく驚けるエピソードをピックアップしています。
しかし、本の中ではその何十倍も何百倍も詳しい「真理」が細かく語られています。
その描写も全然難しくなく、読みやすくどんどん惹き込まれていくことでしょう。
メグレ氏が体験したことがいかに現実離れしたことなのか、読んでいる内に訳が分からなくなってはきますが…。
それでも妙に納得できるし、たとえ作り話だったとしてもこんな話を作れるなんてそれこそ神業です。
目の前で、一人の美しい女性が狼や熊たちと戯れ一緒に遊んでいるのを見た時の心中はいかばかりか。
彼女の前ではあらゆるものが飼いならされていて、彼女の身に悪い事が起こることは決してないのです。
彼女の意図は完全に純粋なのでしょうね。
この「意図の純粋性」についてはさらにこれからの記事でまとめていきたいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。