アナスタシアのことについて、本当にわかり始めたのは、メグレ氏が彼女と出会ってから1年を経過したあたりからだと言います。
本を書いたとき、そして書き進めていくうちにだんだんと理解できるようになっていったのかもしれません。
確かにそうでしょうね、1年で理解できるようになること自体もすごいスピードですが、起業家として成功していて企業や商売のことで頭がいっぱいの現実的な男性が、タイガの森で出会った不思議な力を持つ美女のことを理解することは本来不可能に近いことでしょう。
それが1年で本が書けるくらいのめり込めるということは、それこそが意図の純粋性がなせる技ではないでしょうか、スーです。
本日もお越しいただきありがとうございます。
「意図の純粋性が人間を全能にし、全知にする。人間こそが創造の最高傑作なのだ」
ミラクルズ・アンド・アドヴェンチャーズ誌より
自分の思い通りの人生を歩み、みんなが幸せになる世界への最大のキーワードは「意図の純粋性」以外の何物でもないのではないかとさえ思えてきますね。
今回は、メグレ氏の最大の関心事であった「起業家」についてのアナスタシアの考えを聞くところから、一体何が引き出されるか見ていきたいと思います。
アナスタシアが語る【起業家】
メグレ氏は、立派な起業家ですね。
自らが起こした事業が成功しているおかげで、このシベリアの奥地であるタイガまで自分の大きな船を出して来れるわけだし、交易も行えるのです。
そんな自分の今の立場を、アナスタシアの宇宙概念的視点で見るとどう位置付けられるのか、知りたくなるのはものすごく理解できます。
船に戻る前に、最大の関心ごとである「起業家」について話題をもっていきました。
私が同じ状況だったら、宇宙概念的に見て、「ただの主婦」ってどういう役割があるのか、聞いてみたくなりますね〜。
共同体のリーダー
アナスタシアはまず木の枝で地面に円を描きます。
大きな円を描き、
↓
その円の中にたくさんのもっと小さな円を描き、
↓
そのそれぞれの円の真ん中に点を打ちました。
↓
最初に描いた円の両側に別の円をいくつか描きました。
「この大きな円は地球。人間が住んでいる惑星」
「小さい円は何かによって結び付けられている人々の共同体」
「真ん中の点はその共同体をリードしている人たち」
このリーダーたちが国の指導者であり、大企業を率いる社長だったり、はたまた小さな地域のコミュニティーや学校のようなものの代表者かもしれません。
そして、私たちのようなリーダーの周りにいる人々が、順調にやっていけるかいけないかは、次の2点にかかっていると言います。
- このリーダーが人々をどのように扱うか、人々に何をしてもらおうとするのか。
- リーダーたちが影響を与えることで、どういった心理状態をその場に生みだすか。
これらがうまくいっていれば、明るい光の放射が各人から出て、共同体全体として放射されます。
アナスタシアは小さな円に影をつけて暗くしました…。
彼らは最も不幸な人たち
もちろん、他の様々な要素も人々の内面の状態に影響を及ぼします。
しかし、特定の時間帯に特定の共同体の中にいるとき、自分の内面を左右する大きな要素は、その共同体の中でのリーダーと自分の関係ではないでしょうか。
自分が落ち込む時、自分が自信に満ちて爽快な気分になる時、常に人との関係性がそれらを左右しますよね。
「宇宙にとって重要なのは、地球全体から明るい光、愛と善の光が放射されること。聖書に『神は愛である』と記されているように」
なかなか、愛の光が放射されている共同体というのは稀なのかもしれません。
そして、アナスタシアは同情というか哀れみというか、起業家と呼ばれる人々に対して強烈な印象を吐露します。
「私はあなた方が起業家と呼んでいる人々のことを考えると、可哀想で可哀想で仕方がない。彼らは最も不幸な人たち。私は彼らを本当に助けたい、でも、私ひとりでは無理」
一起業家として、メグレ氏も黙っていられません。
メ「きみは間違っているよ、アナスタシア。われわれが最も不幸だと思うのは仕事を見つけられず、住む家も洋服も食糧も思うようにならない人たちだよ。起業家はこれらすべてを、ほかの人より格段に高いレベルで豊かに所有している。彼はほかの人が夢見ることさえできないような楽しみに、いつでもアクセスできる」
ア「たとえばどんな楽しみ?」
メ「最新型の車と自分のマンションをもっている。衣服や食糧については何の問題もないし」
ア「喜びについてはどう?何かに満たされている? ちょっと、これを見て」
ここで、アナスタシアは彼女ならではの方法で、メグレ氏にある場面を見せてくれるのです。
車の中は暖かくて居心地が良さそう。おかかえのベテランドライバーは静かに滑るように運転している。
でも、後部座席に座っている起業家がどれだけ張り詰めた顔で暗く沈んでいるか、わかるでしょ?
彼は考え、計画を練り、何かを恐れている。
見て、彼はあなた方が電話と言っているあれを手に取ったわ。彼は心配している。
ほら、彼は何かの情報を受け取った……彼は即刻、判断して、決断しなければならない。
ものすごく張り詰めて考え続けている。
終わった。結論が出た。ほら、見て。彼は表面上は静かに座っているけれど、その顔には疑いと警戒心がありありと見えるでしょ?喜びはどこにもない。
車の外は春なのに、彼は春を見もしないし、感じもしない」
メグレ氏が言う、これが仕事というものだよ、という点においては私も同感するのですが、確かにそこに喜びがあるようには思えません。
光が暗くなるのも想像できます。
- 朝目覚めてから夜眠りに入るまで、ときには眠ってからまで、まったく休むときがない
- 木の芽生えも、春の小川のせせらぎも見ようとしない
- 自分のもつすべてをすきあらば奪い取ろうとする妬み深いライバルに、四六時中とり囲まれている
- セキュリティ装置を取りつけた要塞のような家に住んでいても、完璧な平安をもたらすことはない
- 恐怖や不安は彼の内面にあって、つねに彼と共にある
- この状態は死ぬまで続く
- 人生を終えるときになって初めて、すべてを置き去りにして旅立たねばならないことに気づいて後悔する
これでは決して宇宙に明るい光を届けることができないでしょう。
彼らの内こそが、明るく光に満ちることがなければ…。
賞賛や尊敬、それらすべては錯覚
私たちから見る起業家というのは、華々しく贅沢で、何不自由なく生活している存在であり、自分のやりたいことを事業にして成功している圧倒的な実力の持ち主という印象ではないでしょうか。
アナスタシアのような視点で観ることもありますが、それは羨ましいという妬みのような気持ちの上で、そういった暗い側面を誇張している自分に気づきます。
メグレ氏もアナスタシアに反論します。
「起業家にだって喜びはある。自分のつくった計画を実行し、望み通りの結果を得たときに味わうものだ」
「それは真実じゃない」
彼女には外見上の豊かさなどはどうでも良く、内に秘めた憂鬱で悲しいものに焦点を当てて、その光を読み取ることがたやすくできるのでしょうね。
しかし、起業家であるメグレ氏はそれを信じたくはないでしょう。
彼女の言っていることをなんとか否定し、論破しようとします。
「アナスタシア、きみは起業家たちの能力というものを忘れているよ。彼らは自分で設定した目標を達成して、豊かな生活や女性たちの賞賛のまなざしや、周りの人々の尊敬といった、そういうものを獲得するんだ」
「すべては錯覚」
あなたのいったことを証明する人はひとりもいない。
彼らに向けられるのは、羨望や無関心や苛立ちの視線。女性たちでさえ、そういう男性を愛することはできない。なぜなら彼女たちの感情は、彼だけでなく彼の財産も所有したいという欲望によって汚されるから。そういう男性たちも同様に一人の女性を真に愛することはできない。愛という偉大な感情のために使う時間も空間も、彼にはないから」
起業家という、ある組織の頂点に立つような人は、その人に使われる下っ端の人間にはない苦労や悲しみ、不安や恐怖のようなものと背中合わせで踏ん張っているのかもしれません。
ある意味でとても強くたくましいですが、反面、心の底から安らぐという時間はほとんどないのかもしれませんね。
本能的にそれを周りの人間は知っているので、心からの賞賛や尊敬という気持ちが湧くことがなく、それを自分がやり遂げられるとも思わないのではないでしょうか。
それゆえに、空っぽな形だけの賞賛を浴びせて、リーダーの気持ちを盛り立てようとしているところはないでしょうか。
リーダーに対して心からできることとは
小さな円に描かれた点であるリーダー、その存在自体をもっと光り輝くものに変えていければ、宇宙に反射する光が愛に満ち、それがさらに暖かい愛の光となって私たちに返ってくるのかもしれません。
そして、物質的、金銭的なものばかりに焦点を当てるのではなく、真に自分たちが喜べる仕事を提供してくれるリーダーがいたら、ともに成果を出したいと思う人たちが集まり、最高の組織になるのではないでしょうか。
アナスタシアの助言から、メグレ氏はなすべきことを見出せるのでしょうか。
起業家同士のつながりの強化
とにかく、アナスタシアが言うように、起業家という人たちは内面ではものすごく孤独だと言えるかもしれません。
彼らは皆、
- 自分の心配事にとらわれすぎている
- 自分の問題だけでいっぱいになっている
- 精神的なコミュニケーションが皆無
こういった状況にさらされていて、それゆえに自分自身が強くなければという意識が高くなるといえます。
それならば、その孤独な戦いから彼らを救えばいいのです。孤独は人を暗くしますね。一人だけで頑張ってもその先に喜びはないように思います。
アナスタシアが提案したこととは?
「起業家は起業家同士の精神的で誠実なコミュニケーションを強化することで、おたがい助け合うべきだと私は思っているの」
「何より、意図の純粋性を高めるために、公に努力すべきよ」
敵視や潰し合い、傷の舐め合いみたいなことに時間やお金を費やすことは無駄ですよね。
それではいい波動は生まれませんし、目的が利己だけに動いてしまう世界に何の愛や善が生まれるというのでしょうか。
隠れてコソコソと企業努力を重ねることより、企業同士がつながりを持って純粋にだれかのことを喜ばそうと考える商売こそが明るい光を放つのかもしれませんね。
やってみるよ
メグレ氏はそんなアナスタシアの言葉を受けて、すぐに請け負ってしまうのです。
これには裏の事情があるのですが…。
詳しくは割愛しますが、その際に、パニックになったメグレ氏がアナスタシアにこの場面を何とか助けるように強く求めます。自然の法則から反することだと一旦は拒否しますが、メグレ氏に信用してもらえなくなることが嫌だったので掟を破ってパワーを注ぎ込んだのです。
それがアナスタシアを一瞬のうちにノックアウトさせてしまい、あわや…という事態にまで及んだのです。
そんなことがあった後なので、アナスタシアの望むことならやってあげたいという気持ちにもなったのでしょう。
「アナスタシア、私は多分きみに頼まれたことをやってみると思う。
本を書いて、純粋な意図をもつ起業家協会を作るよ。
私自身が理解できた範囲でね」
この時この言葉、これにもすでに意図が存在し、メグレ氏が思っている以上に現実味を帯びていることは、この時には彼にも想像できなかったでしょうね。
現に、タイガから帰ってきた彼がとった行動が、この言葉通りの順序でなかったために、相当回り道をしてしまうのですが、それは次章に…。
まとめ
こうした話を最後にした二人は、そこで一旦別れるのです。
きっと、アナスタシアの言葉の力や夢の実現への想いの強さからか、メグレ氏の人生がこの後ものすごいスピードで変革していきます。
アナスタシアと出会い、その夢の請負人として選ばれたのが、メグレ氏だったことや、そのメグレ氏が起業家だったこと、スピリチュアルのスの字も持ち合わせていない堅物で、現実的な男性だったことなど、すべてが偶然のようで実は必然なのかもしれないということが、徐々に自分の中で腑に落ちてくるころではありませんか?
メグレ氏の今後、気になりますね。
作家でもなんでもない一人の男が長編10巻もの書物を書き上げるなんて、現実的に不可能ですよね。
そこに至るまでにはいろんなことがありますが、こうして私たちの手元に実際本が届いているのですから、アナスタシアの意図の純粋性は十分感じられますね。
少しずつメグレ氏の内側にも、洗脳から解き放たれていくように、疑問が浮かんできます。次回はそんな疑問について見ていきたいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。