あなたはご自身を説明するときの肩書きを保有していますか?
名刺にそれを記しておけば一発で相手にわかってもらえるし、渡した相手の手元に残るので非常に便利です。
仕事上名刺がないと始まらない、という方も少なくないですよね。
今ここでダラダラと名刺について議論してもしょうがないのですが、「肩書き」というものを当たり前として受け入れることに疑問を持ってみるというのもまた、生き方を広く捉えることができるひとつのきっかけになりそうです。
スーです。
本日もお越しいただきありがとうございます。
アナスタシアの本はスピリチュアル界隈でとても人気がありますね。
幻想と現代社会の裏側が入り混じっているような内容であることもその要因かもしれませんが、アナスタシアが示してくれる自然との関わりや人間の存在意義みたいなものが、現実逃避したいスピ偏界隈に響くのではないでしょうか。
私は、もちろん現実逃避の面白さを求めているところもありますが、それよりもこの本には「具体的な人間の本質」がとてもわかりやすく強烈な言葉で書かれていると思っています。
そして、ある面から見ると人助けをしているように見えるスピリチュアリズムというものを、ここまで鮮烈に斬っているのは他にないのではないでしょうか。
アナスタシアこそがスピ(オカルト)だと誤解している人も、第二巻の終わりを読んだら清々しい気持ちになるのではないかと期待しています。
本を読むのが面倒という方は以下に私の超主観的見解をつらつらと書いていきますので、よかったらご一読くださいませ。
アナスタシアを売り物にしたメグレ氏!?
私は本当に、メグレ氏のような人がアナスタシアの本を書く役回りになっていることを、心から感謝します。
この役は、精神世界に精通しているような自称スピの人やナチュラリストのような人では絶対ダメなのです。ここはあえて絶対です。
メグレ氏が、いわゆるオカルトと言われているような現象や自然崇拝的な思想に対して、どちらかというと否定的な立場でいてくれるからこそ、アナスタシアとの間に都度有益な議論が生じるしアナスタシアがそんな人にも分かりやすいような誤解の解き方をしてくれます。
そこに、この本と著者の大きな意味があるのではないでしょうか。
ついアナスタシアを売り物にしてしまうメグレ氏
前回の記事でアナスタシアの祖父と仲直りをしたメグレ氏でしたが、そのすぐ次の章でまた大きく意見が食い違っていくのです。
アナスタシアの本がじわじわと世に浸透していくにつれて、やはりこの本の凄さを敏感にキャッチする人々が早々にメグレ氏にアプローチをかけてきます。
今までにない新しいものへのアンテナ、ビジネスに長けた人というのはそういうものをしっかり働かせているんですね。そして、win-winな提案をしてくるのが上手いんです。
メ「あるひとつの団体が私に契約を結ばないかと提案してきました。創造性に富んだ団体で、とてもスピリチュアルで、頭の切れる人たちの団体です。アナスタシアの発言に関して、メディアに公表したりコメントしたりする独占権を与えてくれるなら、私にそれなりの金額を支払うと言ってきたんです。私は同意しました」
祖父「きみはいくらで、アナスタシアを売ること同意したんだね?ウラジーミル」
メ「彼らが独占権にたいして私にお金を支払うというのは、ここでのやり方なんです。サービスにたいしてはお金で返礼するんです。彼らは自分たちの出版物で、もっと多くの利益を得るでしょう」
その団体をなぜいとも簡単にメグレ氏が信じてしまったのか。
『スピリチュアルな人々』であると思わせるのに成功したからではないでしょうか。
『スピリチュアルな人々』の危険性
自分よりももっと深くアナスタシアの世界観を理解し、それを世の中に広めてくれるかもしれない、メグレ氏はそう思ったのかもしれませんね。
自称スピリチュアルで有能なビジネスマン、なんだか危険な香りがしませんか?
祖父が思うスピリチュアルな人々は
- 自分たちだけが最もスピリチュアルで適格者だと決め込んだ人たち
- 自分たちをほかの誰よりも高いところに置く人々
- 自分たちが誰よりもスピリチュアルだという独断のうえに立っている
しまいには
「スピリチュアルなうぬぼれは、死に値する大罪ーープライドという自尊心ーーの冠たるものだ」
という名言が飛び出します!
これは、本人が気づいていないという危険があって、それが一番厄介なところだなと思いますね。
さすが、祖父は瞬時にここまで正確な見解を示すことができるのですね〜。
アナスタシアの選択肢はどこへ?
アナスタシア本を読んで悦に入ってこれはもっとたくさんの人に伝えていかなければ!!
これ↑↑ワシやんけ!
まあ、性分でもあると思いますね、知らないより知った方がよくない?って、余計なお世話おばちゃん気質…。
でもそれは自分一人でできる範囲で、ちょっとだけのきっかけ提供みたいなもんだと認識しています。
では、これまで述べてきたメグレ氏にアプローチしてくる自分が伝えたい願望が強いスピリチュアルな人々って、何が問題なのでしょう。私に問題がないとも言い切れないですが…
アナスタシアを売り買いしている
ところですよね。
独占権とか新たな出版物とか、いわゆる利権が発生しちゃっているんですね。
そこにアナスタシアの選択肢もなく。
メグレ氏に独占権の話を持ちかけた団体は、アナスタシアに会いたいからその遠征資金を準備しているんです、しかもメグレ氏がそれに同意しているんです。
祖父「ちょっと聞きたい、ウラジーミル。きみや、その『スピリチュアルな人々』には、アナスタシア自身がいつ誰と話したいと思うか、たずねようとか知ろうとか理解しようとか、そういう考えが浮かぶことは一度たりともなかったのかね?きみの同意もないのに、きみの家を訪ねてくる人などいるかい?なんといっても彼女は一度も彼らを招いていないのに」
メグレ氏は、会いたくなければ会わなくてもいいと言いますが、すでにメグレ氏はサインをしているんですね。
アナスタシアはもちろん自分の知っていることを誰にでも明かそうとしているけど、コミュニケーションの方法を選ぶ権利は彼女にあると祖父は主張します。
アナスタシアはメグレ氏を選んだのです!
メグレ氏の本と言語を。
そしてその彼女の選択を変えたがっている存在がいる、明白な目的のもとに。
過去の膨大な歴史書などもきっとそういう意図で変えられたものが少なくないと思いってしまいます。
まだまだ懲りないメグレ氏
祖父に
「彼らは、自分たちが彼よりもスピリチュアルだという独断のうえに立っている。スピリチュアルなうぬぼれは、死に値する大罪ーープライドという自尊心ーーの冠たるものだ」
とバッサリ言われたメグレ氏ですが、ここでせっかく理由のわからない自分自身への苛立ちをおぼえ契約金を受け取る前に契約破棄できたというのに、またやっちゃうんです・・・。Why?
あるスピリチュアル・センターと、自分へのインタビューの独占権を与えるという契約を結びます。デジャヴか?
この契約には直接アナスタシアが関わっていないと判断し、その団体の頭の切れ具合とスピリチュアルな知識に惹きつけられて、結果双方ともに罠にはまってしまったという始末。
第二巻にはその契約書の一部が掲載されているのですが、契約書を読んだモスクワのレポーターに
「あんたはバカだ」
と言われちゃってて草なんです。
でもね、こうしてあっさり騙されるくらいでないとアナスタシアの本は書けないのでは?とさえ思えてきます。
だって、そうしてしっかり肚落ちする経験を踏まないと深い納得にまで到達しないと思いませんか?
自称スピリチュアルな人々とは
自分たちはほかの人たちよりも高いところにいるんだ、と自負している人たちのうぬぼれによって、アナスタシアが大切にしている真実をゆがめ、変化させ、彼ら自身の考え方に合わせて調整することを、アナスタシア自身が知っているからこそ、いかなる契約があろうともそこを成立させることはないでしょう。
ようやくメグレ氏にもそのことが理解できたようです。
自分たちをわざわざスピだと公言する理由
メグレ氏は一連の出来事のおかげでやっとまともな結論を導き出しました。
まず、自分たちを「非常にスピリチュアル」であるとわざわざ公言する人々は
- たいてい裏の顔を持っている
- その裏の顔を自ら恐れている
- その裏面ゆえに自分たちのスピリチュアリティを主張
- 人々に裏面を見られるのが怖い
人は清濁併せ持っていて当然だと思いますが、ことさらにどちらかに偏った主張をしている場合は要注意ですね。
それに対して、メグレ氏も含めた起業家というものはもっと単純だといいます。
- 行動がオープンで隠されていることはずっと少ない
- 自分にも社会にもずっと正直
このメグレ氏の結論が間違っている可能性ももちろんありますが、それにしても否定しようのない事実というものもあります。
報酬を期待せず動いてくれる人々
アナスタシアの本を書き上げていく過程で、その時々にメグレ氏を手伝って援助してくれた人々がいます。
テキストをタイプしてくれたモスクワの学生たち
彼らはその労力にたいして、即座の報酬などまったく期待していなかった。彼らはスピリチュアルな話はいっさいしなかった。
アナスタシアの最初の薄い本を自費出版した印刷会社の社長
印刷部数は少なく、損失のみが見込まれていた『アナスタシア』を、自費で出版した。この起業家もスピリチュアルなことはいっさい口にしなかった。
次の増刷費用を支払った書籍販売会社の取締役
あとになって、彼はその印刷した本を販売していなかったことが判明した。彼は印刷したものの大部分を私に回し、支払いにも締め切りを設定していなかった。この彼もスピリチュアルなことは何も口にしなかった。
ここに「自称スピリチュアルな人々」が割り込んできて
こっそりと4万部を刷って発売した
のです。
この「スピリチュアルな」行動が明るみに出たとき、彼らは自分たちのスピリチュアリティについて、そして何か光り輝くものを想像したいという自分たちの熱意について語り、印税を支払うと約束した。
それは今日に至るまで、まだ約束のままだ。
メグレ氏ははっきりと断言します。
「自称スピリチュアルな人々」は、支払いを非常に軽視する。とくに、自分たちが支払う側にいるときには。
と。
「自称スピリチュアルな人々」の裏の面とは、スピリチュアリティをお金で売買している人々、ということなのでしょうか。
メグレ氏は
何かを決定する前に、じっくりと時間をかけて徹底的に考えてほしい。その「自称スピリチュアルな人々」が、あなたをどこに連れていこうとしているのかを冷静に見極めてほしい。
と言っています。
そして、そのような罠こそが、狂信者や強欲な人々というかたちで、実際にアナスタシアを襲っているというのです。
アナスタシアが第一巻で語った言葉
「私は闇の勢力の集団が、私を打ち砕こうとして、こぞってやってくることを知っている。でも恐れてはいない。私は私たちの息子を産み、育てていく。私が夢に描いたことを、彼が現実に見るその日のために。そして人々は闇の勢力の時間域を超えて運ばれる」
やはりこの力強い言葉は何度聞いてもいいもんですね。
まとめ:バカと言われるまで体験することで落とし込める真実がある
今回は二面的な教訓がありましたね。
ひとつは、自分も自称スピリチュアルな人々に陥っていないか。
スピリチュアルという言葉がごく一般的に聞かれるようになった現代だからこそ、今一度自分の仮面を意識して見るのは大事なことですね。
裏の面を隠そうとすると人はキレイゴトという仮面を被ってしまいがちなので。
もうひとつは、何かに執着するあまり同じような手口に何度も引っかかっていないか。
これは必要な学びである場合もあると思うのですが、メグレ氏のように良かれと思って執着を手放せずにいることがほとんどなので、やはりじっくりと時間をかけて冷静に判断する癖をつけるのが有効ですね。
あー耳が痛い!
そんなふうに謙虚にこの文章を読んでくださった方は、きっと問題があったとしても軽度で解決できるのではないでしょうか。
スピリチュアリティって本来「私は人間である」くらいの意識すらしないくらいの、当たり前の私たちの本質なのではないでしょうか。
だからこそ、ですよね。わざわざ言っちゃってるのは・・・ってこと。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。