アナスタシアについて、久しぶりに巡らせています。
4巻までしか読んでいないし、しかもその内容もどんどん忘れていってしまう私ですが、なぜか最近その続きを読みたくて仕方がなくなっています。スーです。
本日もお越しいただきありがとうございます。
細かいことをいろいろ取り上げて、出来るだけ時系列でまとめているのですが、内容を掘り下げて記事にしていくという過程がとてもノロノロなので、ちょっと退屈してしまうのでしょうか・・・。
しかし、やはり何度読んでも「すごいな」とドキドキしてしまうから面白いですよね。
今回は、紆余曲折のあと、ようやく初版本を書き上げ、それがめでたく完売したおかげでわりとまとまった額の印税が入ったというメグレ氏に起こったモスクワでの出来事を取り上げて、さらなるアナスタシアの不思議、出産して子供を授かった環境についてもまとめていきますよ。
タイガとモスクワで会話する二人
少し生活に余裕が出てきた様子のメグレ氏は、モスクワの娯楽施設を備えた大型複合施設によく出向いていました。
そこかしこから、美味しそうな匂いが漂ってくる売店を通り過ぎながら、食べたいという欲望と倹約しようとする理性が戦っていたメグレ氏の耳に、信じられない声が聞こえてくるのです。
「ウラジーミル、何か自分で食べるものを買って。欲しいものを買って。自分自身に栄養を与えることを否定する必要はないわ」
この言い回しはあの人しかいませんね。
無事に出産したアナスタシアがタイガからこんにちは
この声を聞いたメグレ氏が、すぐにアナスタシアが話していると理解するはずもなく、しばらくは幻聴だと自分に言い聞かせようとします。
しかし、それは幻でもなんでもなく、まぎれもない彼女の声だったのです。
「あなたは私の声を聞いているのよ、ウラジーミル」
と、アナスタシアははっきりと明確に答えました。
そうとわかれば、メグレ氏も黙っちゃいません。
アナスタシアには頻繁に会いに行けませんが、聞きたいことが山ほどあったことでしょう。
「どうしてもっと前に私に話しかけてくれなかったんだい?聞きたいことがたくさんあるんだ。読者の集まりでみんないろいろと質問してくる。私が答えられないものがいっぱいある」
引用:『響きわたるシベリア杉』ー愛の次元空間ー
しかし、アナスタシアはアナスタシアで、ずっとメグレ氏と話したくて何度も話しかけていたのです。
それを聞かなかったのはメグレ氏なのです。
そういえば、やっと本格的に本を書く気になる前、メグレ氏は自殺をしようかと思うくらいに追い詰められていました。
その時に、地下鉄で、ありえないほど忠実にタイガで聴いた歌を再現していたミュージシャンがいました。その彼女たちに届いたのはもちろん、アナスタシアからの渾身の歌声なのです。
「あのとき私は本当にうろたえてしまっていて、ミルクが出なくなりそうだった」
「何のミルク?アナスタシア」
「私の母乳よ。私たちの坊やのための。ウラジーミル、私は産んだのよ」
引用:『響きわたるシベリア杉』ー愛の次元空間ー
タイガで、たったひとりで、息子を産んでいたのです。
それをこんな形で知らされる父親の気持ちとは・・・ブッとんでますねー。
アナスタシアを気遣い強がるメグレ氏
メグレ氏は、たくさんの聞きたいことをアナスタシアにぶつけることをやめたのです。
- 家族や自分の会社から見放されたこと
- 精神病院に入れられそうになったこと
- これ以上アナスタシアの夢で人々を誘い込まないようにしてほしいこと
授乳中の彼女をきちんと思いやって、混乱させないように配慮したのです。
そして、彼女が喜びそうなこと、心配しないで安らかに子育てできそうなことを強調するのです。
- アナスタシアの夢が次々と現実になっている
- 本が書かれ、その本を人々が関心を持って読んでいる
- 読者たちは詩を創作している
なかでも、アナスタシアがメグレ氏に話したことがある『バード』と呼ばれる吟遊詩人の現れが、彼女の夢の実現を思わせることであり、お互いに前向きに語り合っています。
「きみの夢は着実にわれわれの世界に入り込んできているよ、アナスタシア。そして世界は変わりはじめているように見える。ある人々がきみを感じ、理解した。彼らの中にどこかから力が湧き出てきて、彼らが少しずつ変化をもたらしているんだ。
だが、きみは依然として、そこ、タイガの草地にいる。きみがわれわれの世界で生きられないのと同様に、私はきみの生きている環境の中では生きられない。
それなら、なぜきみの愛が必要だろう?きみの愛は意味を成していない。共に一緒にいることは決してできない、それがはっきりしているのに、二人の関係にどんな意味がある?」
引用:『響きわたるシベリア杉』ー愛の次元空間ー
やはり、強がってはみたものの、さみしいですよね。
ましてや子供も生まれているとなると、自分の存在って一体なんやねん、って訴えたくもなります。
二人は一緒に子育てしないのでしょうか?
愛する人へ、愛の次元空間を
アナスタシアの気持ちはどうなんでしょう?
「私たちは一緒よ、ウラジーミル。いつも共にいる」
「一緒?きみはどこにいるんだい?ふつう、人が愛し合うときはいつもお互いのそばにいようとする。抱きしめたり、キスしたりするために。きみはふつうじゃない。きみにはそういうことは必要じゃないんだ」
「私はそういうことをとても必要としているわ。ふつうの人と同じように。そして私にはそれがあるの」
引用:『響きわたるシベリア杉』ー愛の次元空間ー
タイガとモスクワという距離で、アナスタシアがいうような愛の共有を可能としているものは何かというと、
- そよ風のやわらかな感触とやさしい抱擁
- 頬に触れる太陽の陽射しの暖かさ
- 小鳥がその人のために歌う歌
- その人のために木の葉がさわさわなる音
これらが特別なもので、自分からの愛のものであるというのです。
誰にでもあるようなものに思えますが、
「ひとりの人に向かって宇宙空間に解き放たれた愛は、多くの人の魂に触れることができる」
引用:『響きわたるシベリア杉』ー愛の次元空間ー
なぜ宇宙空間に解き放つのか?
「そうすれば、いつも愛する人のそばに、愛の次元空間が存在するようになる。ここに愛の本質と目的がある」
引用:『響きわたるシベリア杉』ー愛の次元空間ー
宇宙空間にひとりの人への愛を解き放ったこと、ありますか?
そんな方法があることすら知りませんよね。
でも実際に、タイガという遠く離れたところからのアナスタシアの愛は、ちゃんとメグレ氏に届いたと思いませんか?
ここまで詳細な会話ができるのですから。
しかし、この自然に思える会話は実はある人の助けを借りているというのです。
私たちは、どうしても“声”を“耳”で聞こうとするのですが、それは“ハート”で聞かなければならないので、ちょっと難しいのでしょうね。
アナスタシアの祖父が語るメグレ氏の存在意義
二人の会話を助けてくれていたのは、アナスタシアの祖父でした。
タイガから?
いいえ、メグレ氏が周囲を見回したところに、ふつうにいたのです。おじいさんが。
アナスタシアはメグレ氏を選んだのではなく拾い上げただけ?
メグレ氏は、一緒にいて比較的気を使わなくて済むこのおじいさんに、疑問をぶつけます。
「今でも私は彼女の選択を理解していません。読者からもよく聞かれます。『あなたはいったい誰ですか?』『なぜアナスタシアはあなたを選んだのですか?』と。私は答えられないのです。もっと賢明で啓発された人ならばとうの昔に知っているようなことまで、一から整理して考えないとわからない」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
この疑問を解決するために、メグレ氏は一生懸命に内面を見つめて、自分が何者なのかを探ってきたといいます。
何かあるかもしれない。
類は友を呼ぶというし。
そんな淡い期待を抱いていたのでしょう。
しかし、冷静で中立的な立場の祖父から言われた言葉は、ストレートで、期待とは正反対だったためやや衝撃強めでした。
「彼女はきみを選んだわけじゃないのだよ、ウラジーミル。今は役に立たなくなってしまって誰も必要としないものを拾うように、彼女はきみを拾い上げたのだよ。われわれもすぐにはそれがわからなかった。傷ついたかな?」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
直接こう言われてすんなり受け入れられる人の方が稀でしょうね。
しかし、事実なのです。
当時のメグレ氏は、妻と娘に対して愛情がなくなっていて、順調に見えるビジネスも損失や破産のリスクがつきまとうものでありました。
きわめつけは、メグレ氏の体です。病気になっていてあやうく胃をダメにするところまでいっていたというのです。
そんな生活を改めようともしなかった氏は、自分の病気から這い上がることはできなかったはずであり、すべてが終わりで、何も残っていなかったとまでいわれてしまうのです。
そんな彼を、アナスタシアは、思いつきでも打算でもなく心の底から誠実に愛したというのです。
すべての女性たちと同じようにして愛することに、喜びを感じてさえいたのです。
アナスタシアの愛を通して創造主が人々に語りかける
おじいさんにとっても、はじめはこのアナスタシアの行動が非論理的で理解に苦しむものに見えたと言います。
しかし、現実には、彼女がメグレ氏を愛するということを通して、様々な光を降り注いだとも言っています。
なるほどね。
確かに本を通してではありますが、今までにない愛の概念というものを知ることができたとは思います。
それもすべて彼女の意図、創造主の意図であるとすれば、確実に反映されているのではないでしょうか。
アナスタシアはメグレ氏が本を書くために命を捧げた!?
本を書き上げたのはメグレ氏です。これは紛れもない事実ですよね。
アナスタシアの言った言葉だけを引用してつなぎ合わせたというようなものでもありません。
しかし、メグレ氏自身も、その点について読者に指摘されることもあり、自分一人でやり遂げたことなのか、アナスタシアと一緒に書いているものなのか、答えが出せないでいました。
それをアナスタシアの祖父に問うてみたのです。
「きみはひとりの作家がとおる全行程を自分で歩いた。ー中略ー きみのとった行動はすべて、ひとりの作家がふつう行うものとなんらちがっていない」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
ただ、確実にこう言えるのです。
「アナスタシアはきみがこの本を書けるように、自分の命を捧げたのだよ、ウラジーミル」
「本」という形ある物質を見てそこに答えを出しても、あまり意味のないことなのかもしれませんね。
私やみなさんがこの本を読むときに、何を感じ、何を受け取り、どういう行動を起こしていくか、それこそが彼女が命懸けで夢を描いている意味なのではないでしょうか。
そして、この本が書かれたのは、これまでは彼女がたったひとりで敵対する闇の勢力のすべてに対抗していたことを、多くの人が理解を持って助け、暗闇と地獄を生み出すことをやめるように導く意図があるのです。
私たちが、本を通してそういうことを理解できるだけでも、世界は変わっていく可能性はあると思うのです。
これこそが、彼女の意図の純粋性であり、意識の速度の速さを示すものではないでしょうか。
まとめ
ここから話は、私たちがどれだけ愚かなことをしてきたか、意味のないものを信じてきたかという話に展開していきます。
そして、アナスタシアが、過去にいくらでもいたであろう偉人たち、預言者たち、真実に気づいた人たちと、大きく違っている点を、わかりやすく祖父の言葉で明らかにしてくれるのです。
「人間は存在するすべてのレベルの次元に同時に生きることができる宇宙で唯一の存在だ。
人間は意識の中で、最終的に物質化する形とイメージを創出することによって、現在と未来とを作り出すことができる」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
そして、私たちもまた、アナスタシアと同じ人間なのです。
もちろん、全く本質には近づけないようになってしまっていますが、諦めずに意図を純粋に保つ努力をすれば、きっとそこでアナスタシアからの光を受け取ることができると、私は信じています。
そのことを証明するのが、皮肉なことに宗教などの教典に夢中になれるという私たち人間のサガであるかもしれませんね。
では、次回は、信仰というものの本質を見事に暴いていきましょう♪
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。