アナスタシアのことを宇宙人とか女神とか呼ぶ人々が増えていくなかで、実際にアナスタシアと触れ合ってきたメグレ氏の頭は混乱してしまいます。
初版本の完売によって、世間にアナスタシアのことを知る人が増えたことはとてもいいことです。
しかし、いろんな宗教がそうであるように、人々に世界の仕組みや終末論を説き始める教祖たちが出てきても、結局世界は変わらない、そういうものと同じ道を辿っていくのでしょうか・・・。スーです。
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もちろん、それは私たち次第なのですが、人々がどこまでアナスタシアの言うことを信じて、意識を変えていけるのか、今のところ誰にもそれはわかりません。
アナスタシアがこだわった、「本を書いて世に出す」ということ。
この原点が実は全ての答えなのではないかな、となんとなく思えてきました。
みなさんはいかがですか?
信仰している宗教の経典や祈りを唱えるとき、あなたのこころはどこに向いていますか?
いろんなルールや締め付けがあるような宗教では、恐怖から逃れるために恐れながら日々を過ごすことしかできないのではないでしょうか。
今回は、そんな大昔からある「信仰」というものについて、アナスタシアの祖父の言葉を借りながら、なるほどなーという話をまとめたいと思います。
その信仰は何に根ざしている?愛?それとも恐怖?
信仰に限ったことではないと思いますが、私たちが救いを求めて生きているかぎり、その終着点は「地獄」であると言っても過言ではないのです。
なぜなら、救いを求めなければならない原因があるわけで、それから逃れるために、それを想い、形づくっているからです。
そう、意識の中で「地獄」のイメージを作り上げているから、それが未来となり現実となるのです。
暗闇と地獄から逃れようとばかりするあまり、自ら暗闇から抜け出せず、地獄へと向かっているのかもしれませんね。
大災害も世界の終わりも私たちの恐怖が創り出す
アナスタシアが、なぜタイガの奥地でひたすら遠隔コミュニケーションともいえる光線を投げかけ続けているのか、祖父がわかりやすく説いてくれます。
モスクワに突如現れたアナスタシアの祖父でしたが、メグレ氏も祖父となら落ち着いて自分の思いをぶつけることができるし、祖父の言葉は、アナスタシアの言葉よりも説明的で受け入れやすいものだったのでしょう。
「大災害と世界の終わりを信じて説く占い師たちは、自ら世界の終わりという想念と形とを生み出している。こうして、全人類の滅亡を説く多くの予言は、それを想い、形づくることによって、じつはそれをより近くに引き寄せている」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
この先の未来は見えないです。誰にもわかりません。
だから人は不安になったり恐怖心を抱いたりしてしまいます。
うまくいかない将来、怖いことが起こるかもしれない未来、そんな起こってもいないことばかりを心配している間は、まさにそれを自ら創り上げているということになるのです。
最近でこそ、「人は自分がイメージした通りの人生を生きる」という本質が多くの人の概念になりつつありますが、その原動力が恐怖だったり、根っこにあるものが恐怖心だったりすると、最後に待ち受けているのが「地獄」であってもおかしくないですよね。
それくらい想いによる創造とは、現実と密接しているのではないでしょうか。
祈りによって自分の魂が救われたとしても・・・
信仰心が強く、毎日のように熱心にお祈りをしている人は、果たしてどうなのか?
その祈りが正しくて、本当に約束の地へ行くことができたとしても、やはり待っているのは“恐怖のシナリオ”であると祖父はいいます。
「何が起こっているかを知りながら、自分だけ喜んでいるためには、魂は、いったいどのレベルまで非情で無感覚でなければならないか、ー中略ー そういう魂を、光の王国は必要としていない。なぜなら、暗闇を生みだしているのは彼らだから」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
ちょっと難しいですね。
自分の祈りが利己的であれば、その根本にあるのはやはり暗い闇だということでしょうか。
こういう部分も人それぞれの感覚で読んでいくべきなのでしょうね。
祈りについてはアナスタシアが語るものも興味深いものでしたね。
教祖たちは人々をどこへ導こうとしているのか
今私たちが知り得る教えのなかに、私たちを無条件に受け入れてくれるものってありますか?
すべての宗教の教えを知っているわけではないですが、42年間生きてきたなかで、そんな言葉に出会ったことはなかった気がします。
アナスタシアに出会うまでは。
「なぜさまざまな教えを書き記してきた人類の偉大な教師たちは、世界の終わりと最後の審判について語るのです?
そういうことなら彼らはいったい何者なのですか?
彼らは人々をどこへ導こうとしているのです?
なぜ彼らはこういう話の進め方をするのですか?」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
メグレ氏の疑問、同感ですね。
祖父の答えは、
多くの群衆を一度に意識転換させるために、カリスマ性のある人が先頭に立ち、一気に導こうとしているのでしょうか。
これは、アナスタシアの本を読んで、アナスタシアに一目会いたいと、タイガの森まで行こうとする人の心理にも近い気がしませんか?
アナスタシアは歴史上の偉人たちと違うのか
アナスタシアは、わたしたち、いや息子の父親であるメグレ氏でさえ、やすやすと森に来てほしくないと言っていませんでしたっけ。
アナスタシアは、群衆を集めて自分の教えを説こうとは考えていないようですね。
では、歴史上の宗教家たちとアナスタシアはどう違って、どっちが本質なのでしょうか?
なぜ森の中にいて黙っているのか?
アナスタシアの強い思いを感じることは、おそらく読者の方ならできると思います。
共感し、すぐに何か実行に移すこともあるかもしれません。
しかし、それほど人々の意識を変えたいと願っているなら、どうして人がほとんどいないタイガの森の中でひきこもっているのでしょう、と思った方も多いと思うのです。
まさに、メグレ氏もその一人で、
「もしあなたがこういうことをすべて知っていたなら、なぜ、長年の間、森の中にいて、黙っていたのですか?
なぜ、もっと前に誰かに説明しようとしなかったのですか?
アナスタシアは、あなたの一族はそのユニークな生き方を、数千年も貫いてきたと言っていました」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
こんな疑問を祖父にぶつけるのです。
しかし、ちょっと考えればなんとなくわかりませんか?
結局そうすることがうまくいかない歴史しかないのです。
そして、これこそが、アナスタシアが本質を伝えようとしていると思えることなのではないでしょうか。
祖父はこう言います。
「非技術主義の生き方を守ってきた人々は世界のあちこちにいる。
歴史上のさまざまな時点で、彼らは自分たちの気づきを他の人々に分かち与えようとしてきた。
だが、彼らはいつも、本質的なことを話す前に滅んでしまった。彼らは強力な意識の形とイメージとを人々に示したが、あまりに多くの人々が彼らに反対した」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
アナスタシアが森から出なくても、本質を私たちに伝えることができる方法を思いついた、それが「本」だったのでしょうか・・・。
アナスタシアに起こっている不可解な現象
本質を伝えようとしてきた偉人たちを滅ぼしたのは、民衆だったのです。
では、アナスタシアを踏みつけ、滅ぼすのも民衆なのでしょうか?
アナスタシアには、これまでの偉大な教師たちとは全く異なる不可解な方法で、彼らに対抗できていると言います。
彼女の生き方はお世辞にも普通だとはいえませんが、他のすべての人々と同じ、ふつうの女性です。
「彼女が持っているすべては、人間にもともと備わっているもの。人間の本来のありようなんだ」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
と祖父も言います。
しかし、これまで出てきた彼女の驚きの能力以外に、
「見ただけでは理解ができないひとつの現象があるのだが、いずれきみはその現象に遭遇する。科学もそれについては説明できないだろう。私の父さえそれが何なのかわかっていない」
引用:『響きわたるシベリア杉』ーアナスタシアの祖父ー
この現象が彼女を彼女たらしめている本質なのでしょうか?
祖父も曾祖父でさえも解明できないその現象について、メグレ氏に混乱しないでほしいとお願いするのです。
それを見たものは、おそらく間違いなく彼女のことを誤解してしまうようなことなのでしょう。
まとめ
アナスタシア自身も、よく聖書などを引用してそこに秘められた本質をみるべきだと言っています。
私たちが日々の生活でなし得ていることって何なのでしょうか・・・。
宗教家が、掲げる理想とは裏腹に民を地獄に導いているのだとしたら、私たちの生活もそれと同じようなものかもしれませんね。
本当に、つくづく「生きる意味」「なすべきこと」とは何なのか、考えさせられる本であります。
人が、競争して、お金を追って、目標に向かって生きていることが当たり前だと思っているから、人生がとてもしんどいものになる気がしてしまいます。
そして、自分には何かが足りない、もっと何かができるはずと思いながら生きていないとダメな気もしてしまうのです。
それらがすべて自分ではない、何か他の力が働いてそうなっているとしたら、それをすべて解明して理解して、生き方をガラリと変えることが必要なのでしょうか・・・。
この世の中の出来事がすべて茶番であり、その茶番を演じている人間が本質に気づいてしまったら、闇の勢力のシナリオ通りの世界は終りを告げるのでしょうか・・・。
次回は、アナスタシアに起こっている不可解な現象について探ってみましょう♪
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。